診断が変れば治療は変ります。
最初に誰に診断を受けるか、そこがとても重要なポイントです。
例えば、歯を支える骨が溶ける理由は3つあります。
1)虫歯や歯周病によるバイ菌によるもの
2)人為的なもの
歯ブラシなど人為的に強い力を加えることによって歯茎が退縮する(下がる、やせてくる)。 そのことで歯の根っこがちびていき、どんどん骨が溶けていく。
3)過剰な力によるもの
歯の縦ゆれ、横ゆれの不自然な過剰な力によって歯を支えている骨が溶けていく。
<問題点>
一般的には歯を支える骨が溶ける理由は「ばい菌によるもの」だけである、という考えのもとに治療を行っています。
過剰な力がかかることによっても骨が溶けるという事実を全く知らない先生も多くいらっしゃいます。
例えば、4番目の歯から7番目の歯を失った患者さんで、「3番目の歯の神経を抜かなければならない」と診断された患者さまが来院されました。
その先生の診断によると、3番目の歯の根っこに膿がたまって骨が溶けている、つまり神経が溶けてしまってもう既に死んでいるということです。
すぐに歯の根っこを抜かなければならない、とのことでした。
当院で電気による歯の神経の状態を確認すると、その歯の神経は「まだ生活している」、という反応を示しました。つまり神経は生きていました。
言い換えると、そこにはばい菌もいない、ということです。ばい菌がいれば神経は死んでいます。
神経が生きているということは、根っこの先にばい菌はいない、ということです。
でもレントゲン写真上では骨が溶けてしまっているように見えてしまいます。
これは奥歯がなくなったにもかかわらず、普段の日常の食事などの咬む力を本来奥歯で支えるべき力をその歯に負担させてしまったためにその歯を支える土台である骨が溶けて地盤沈下を起こしてしまっていたのです。
決して神経が死んだことによるものではないのです。
神経を抜いたり歯を抜く必要性は全くありません。
一度神経を抜いた歯や、抜歯した歯はもう二度と戻ることはありません。
ただ奥歯にインプラントを入れ、その歯に本来の力以上の力が加わらないようにしてあげれば良いだけのことだったのです。
このように診断の違いでその後の治療法が大きく変ってまいります。
診断が変れば治療が変る。
これが私たち、吉本歯科医院の考え方の根底にあります。
歯科治療において、最も重要なことは「噛み合わせ(咬み合わせ)」です。
さらに言うなら「噛み合わせ(噛みあわせ)のバランスが整っている」ということです。
前歯が折れた
虫歯ができやすい
歯がグラグラする
顎が痛い
顔がゆがんできた
いろいろな症状がありますが、その全ての大きな原因にこの「噛み合わせ(噛みあわせ)」のバランスの悪さがあります。
例えば、なぜ「虫歯が できやすい」ことと「噛み合わせ(咬み合わせ)の悪さ」が関係するのかと申しますと、噛み合わせ(咬み合わせ)が悪い、つまり歯が正常に並んでいないの で、その歯並びの悪い部分には当然虫歯菌が溜まりやすく、いつもバイキンが住み着いている状態になっています。
ですので、噛み合わせ(かみ合わせ)が悪い方のお口の中は虫歯でいっぱい、ということがよくあります。
また、前歯が折れた、ということと噛み合わせ(噛みあわせ)の悪さとの関係は、前歯が折れた、ということは、折れる前からもう既に折れやすい状態だった、ということが言えます。歯は28本が正常に並んで始めてバランスを保っています。
その中でどこかの噛み合わせ(かみ合わせ)のバランスが崩れると、前歯が本来耐えうる噛む力以上の負荷がかかって噛んでいることになります。
ですので、日々の咬む力で少しずつ、前歯は折れやすい状態になっていっており、少しの衝撃や少しの咬む力である日突然折れてしまいます。正常な歯並びであれば前歯はそうそう簡単に折れることはありません。
全ての治療において、吉本歯科医院では「噛み合わせ(かみ合わせ)のバランスが歯科の治療には最も大切である」と考えています。
ただ、噛み合わせ(噛みあわせ)の重要さは知識で理解はしてはいるけれど、実際に患者さまの噛み合わせ(噛みあわせ)のバランスを正常に戻すことができる歯科医師はほんの少数だと思われます。
また、こういった歯科におけるきちんとした技工物を作製できる歯科技工士もほんの少数なのではないでしょうか。
どうして吉本歯科医院の歯科治療は、患者さまにとって最善の治療を提供できるのか、という理由は、「噛み合わせ(噛合せ)のバランスを正常にする」という大原則に基づいてすべての治療を行っているからです。
歯科の治療といえば、悪い部分だけを治す、または美しく見せる、ということがあまりにも最終目的とされているように思います。
しかし、噛み合わせ(かみ合わせ)は体全体のバランスを取る要となっていると言っても過言ではありません。
噛み合わせ(咬み合わせ)の悪さひとつで、体のバランスは面白いほど崩れていきます。
また噛み合わせ(噛みあわせ)のバランスを正常に戻すだけでまっすぐ歩けなかった人がまっすぐに歩けたりもするのです。
そういった意味で、私たち歯科医師は、お口の中で起こっていることを通して患者さまの体全体を「診る」といった視点が絶対に必要です。
吉本歯科医院ではあらゆる治療にこの考え方が基本としてあります。
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